【私がオバさんになっても♪】

日々のこと

この曲が流行った頃は、もっとゆっくり時間が流れていた。
「とても心配だわ あなたが 若い子が好きだから♪」と繰り返す歌詞に、
女の年輪がわからん男なんかほっときゃいいのに…なあんて思っていたものだ。
オバさんになっても、ではなく、
オバさんになってみると、
やはりこの歌詞には微妙に違和感がある。
歌詞の中に出てくるようにディスコ(死語)にも行かないし、オープンカーも乗らないが、
「とても心配」じゃないのは、
女の年輪が・・・なんていう気負いでもなく、若い子が眼中にないからでもなく、オバさんは自分のことに精一杯で、それ以外のことに気を回す余裕などないから、なのだった。
オバさんは、若い頃思っていたよりずっと、必死で生きてる。

娘を成人式に送り出しながら、
ウン十年前も、青い空だったなあと思い出した。
振袖ではなくなぜか袴を着て、東郷神社、明治神宮、浅草寺とハシゴして、新宿の高層ビルで当時のBFからお祝いでお食事をご馳走になった。
甘やかしてくれる優しい先輩や友人達に囲まれて、無謀で無敵で幸せなのに、それがわからずクヨクヨして、辛く苦しいことばかりに目を向けていた。生きづらさばかりが頭の中を占めていた。そんな青い自分が懐かしい。

今日青空の中、道ゆくたくさんの振袖姿を見て、
若いっていいな、
悩めるっていいな、と胸があたたかに。
青さの代わりに心の温かさを手に入れたオバさんは、
必死だけど、とても幸せだ。

タイトルとURLをコピーしました