【ゆっくり話してよ】

オンライン化

オンラインでの仕事や授業が増え、インターネットの回線を、CATVから光回線に変えることにした。
確かめてnuro光を申し込んだが、いざ工事をしようとしたら、やはりマンション自体がnuroは無理とのこと。
気を取り直して、フレッツ光に申し込んだが、電話の窓口のお姉さんがどうも要領を得ず、詳しい者が折り返すと言うので待っていたら、かかってきた。
問題の人物である。
とにかく、恐ろしいほど早口。
誇張ではなく、YouTubeを1.75倍速にしたくらいの速さで説明してくる。
どんな段取りで、いつ頃何をしたら良くて、支払いはいくらで、という話なのだが、とにかくメモを取りながら話を聞くのだけど、プロバイダーと支払い先も違うしよくわからなくなるので、
「すみません、もっとゆっくり話して頂けますか?」と言っても早口は変わらず。
私の相槌や、質問を聞くつもりはないらしく、質問しても自分の話はやめない。いわゆる「かぶって話す」状態。
確かに、年齢とともに、高い周波数やスピードをキャッチしづらくなってきたとは思うけど、いくらなんでもというくらい。だいたい苦手で、集中しないとわからない内容である。
工事のために空けておく日時や、手続き、支払いなどは、重要事項だから確認したいなと思って、聞き直したら、なんと!
「さっきから何度も言ってるように!」と、あちらがキレた。
一瞬、私が客だっけ?と脳が迷った。
さすがに怒りが湧いてきて、久しぶりに私も電話口でキレ返した笑。
「あなたにとっては、1日に何回も話してる同じわかりきったことかもしれないけど、私は初めて聞くんです。
確認のために、聞き直すことのどこが悪いんですか!
そんな早口でまくしたてて、そもそも聞き取れると思ってるんですか!」
しかしながらその相手。謝るどころか、
「だって、なんか同じ話のループになってるから」とタメ口で言い返す始末。

ループになってるのは、あなたの説明がわかりにくいからでしょう?と思ったけど、それは言わなかった。
私の剣幕で、1.75倍速は1.5倍速に一瞬なり、最後は1.75倍速に戻ってその電話は終わった。

多くの人は、全くわからないまま、ハイハイと途中で聞くことを放棄して(後で書類を見たらいいやと思うか、詳しい親しい人に聞き直そうと思うかして)、電話を切るだろう。早口で捲し立てられ、実際消耗がひどかった。
電話を切った後、彼はオレオレ詐欺のかけ子もやったことがあるんじゃないだろうか、と勝手にあれこれ妄想した。
電話料金の明細書がわざとわかりにくくなっているように、会社から早口でまくしたてろと命令されているんじゃないかと思ったのだ。
あまりに消耗して、こんな失礼な人、雇う会社は大丈夫か?
こんな会社がまかり通る日本は大丈夫か?と考えるほど。
もし会社は関係なく、彼個人の問題なんだとしたら、
自分の説明が悪いから相手がわからないのだという視点はゼロで、一度に自分の説明を理解できない相手に問題があると考え、いきなりタメ口になってキレ、一方的に話す彼は、
仕事の後もネットばかり見てるんだろうとふたたび想像した。

ほかにも事情があって、電話の問い合わせになったのだけど、あとからネットで確かめてみると、実はそんなに大変なことではなく、順を追って時間を取ってやれば、誰とも口を利かずとも、やれたことだった。そんなに客の気分を逆なでするほど、まくし立てることだったの?

彼は機械だった。

私は機械相手に腹を立てていたのかもしれない。

仕事も学校もオンライン化が進んでいる。デバイスを見る時間はどんどん増えるし、会話はLINEなどで書くものになり、どんどんみんな無口になっていく。
みんな急いでいて、動画を倍速で見るように、相手の話の語尾まで聞いてから話すようなコミュニケーションをしなくなる。

スティーブ・ジョブズは、
自分の子供にはiPadもiPhoneも使わせなかったらしい。その害を知っていたから。

私は資本家階級じゃないから、使いますよ、iPhoneもiPadも。娘にも使わせます。

全部なくなってしまえ!と時々思いながら笑。

せめてみんなもっとゆっくり話そうよ。

だって私たち、内閣府によれば、ゆくゆくは機械になることを求められているみたいだから・・・。

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