「人は食べるものと読む本と付き合う人で決まっていく」
と、誰かが以前言っていたような。
わかってはいても、まあいいか、と重い腰が上がらなかった私が、娘のアレルギー克服のために栄養学のグループで学び始めて数年経った昨年、「新しい風邪」が流行り始め、ようやく重い腰が上がりました。
ちょっとだけ栄養学の基礎を学んだところで、新しい風邪と共に、日本の食の危機的状況を色々知ってしまい、未来を生きる子供のことを考えたら娘のアレルギーはもちろんのこと、切実度が一気に上がってしまったのです。
そういうわけで、
野菜や果物など諸々を「食べチョク」やその他、生産者と直接つながれるサイトで購入するようになりました!
生産者の方々が手書きで段ボールに入れてくれるお手紙やメモ、食べたことのない旬の野菜や果物、
何しろダイレクトに届く鮮度が魅力で、今では無農薬果実で作ったジャムや、海辺の旅館が作った干物、食卓に飾る花なども直接生産者さんから購入することが多いです。
今現在、野菜は、
吉川自然農園
http://yoshikawa-sizennouen.com/
https://www.facebook.com/yoshikawanoen/
と直接契約して、月2回のペースで送って頂いています。
吉川自然農園さんは、
愛媛県の大三島で、
子供が安心して口にすることのできる、
太陽と土と風の匂いがするような、そんな「食」を目指して、
農薬や化学肥料を使わず、
F1種ではなく、在来種や固定種と呼ばれる、古くから人の手によって受け継がれてきた種から、
野菜作りをしている生産者さんです。
農業のかたわら、小さなお子様2人の育児中のご夫婦でもあります。
農家さんから直接届く野菜は、どんなに洗ってくださっていても種類によっては根元に虫がいることはあるし、穴があいていたり、見た目はスーパーの野菜のようにはいかないのですが、
なんと言っても、日本は世界トップクラスの農薬使用量の国であることを思うと(ヨーロッパと残留農薬の桁が二つ違う)、
農薬だらけである実態や理由もさることながら、見た目がキレイで、虫食いの穴一つない野菜を求め、それが何故かも考えず慣れていた消費者の私にも、大いに問題ありだったなと気付かされます。
きっと、自家菜園などやってる方はその辺りがよくわかっていらっしゃるでしょう。
吉川自然農園の野菜を食べるようになって、夏は胡瓜で冬は白菜、みたいなざっくりしたくくりではなく、もっと細かな季節感、気候の影響がわかり、
同じ野菜が続いたり、知らない野菜が届いたりすることで料理のバリエーションがググッと広がりました。
ときどき、「ヤーコン」「ビーツ」「バターナッツ」といったスーパーでは決して見かけなかった野菜が続いて、はて?これってどうやって食べるのだろう??と悩むのもまた楽し。
確かにスーパーよりはコスパは悪いですが、野菜のすみからすみまで無駄なく頂けるこの安心感!には代えがたいものがあり、また皮も根っこも無駄なく食べられるのが良いところです。
実は昨年、台所の蛇口を浄水器内蔵のものに変え、フッ素加工から全て鉄のフライパンと鍋に買い替えました。
「新しい風邪」は腹立たしいことも多いけれど、こんなことがなければ、
私は未だに重い腰を上げてなかったかもしれず、
なぜ日本の農薬基準値が緩いのかの歴史的理由や世界情勢も深くは知らないままで、
塩素の入った水で洗って、
フッ素加工のフライパンで料理し、
それでいてアレルギーが治らない…と頭を悩ませていたかもしれません。
(もちろんアレルギーには多様な要因があり、口にするものだけが理由とは限らないのですけど)
それに、
どうせなら、この先は、日本の子供達の未来に誠実な企業や人を応援して、
そういう人達と繋がって、生きていきたいのです。
今の気づきが、
「だめだ、もう遅すぎた!」とならないことを祈りつつ。
※ ちなみに、スーパーからたまに購入するときは、ホタテの貝殻をパウダー状にした野菜洗い(「ほたて 野菜洗い」で検索すると、何種類もネット上にあります)を水で溶かしたものに10分くらい浸けてから使っています。
農薬などが全部取り切れるわけではないかもしれないけど、結構色々浮いてきて、ちょっと考えさせられます。ご興味あればぜひやってみることをお勧めします。